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例えばこんな日常

第24章 動機不純100%/AN






平然とそう言い放ったにのに全力で焦り出してしまう。


「ちょっ…え?なんで?」

「さっき言われたじゃんJから。ユニットの構成話しといてって」

「え、いや言われたけど…今日?」

「何となくあんのよ、今。だからちょっと話せればなって思ってる」


『相葉さんが良ければ』って言いながら有無を言わさないようなその眼差しに。


堪らずぐっと息が詰まる。


ダメだ、絶対目が泳いでる…


なんか言い訳探そうとしてんのバレバレだ…


「…分かった、いいよ」


元々嘘はつけないタイプだから。


にの相手だと尚更で。


ていうかすぐ見破られるに決まってるし。


小さくそう返事をすれば、にのも小さく頷いてリュックを背負った。



…ちょっと待って。


今からにのが俺んちに来るってさ…


俺…大丈夫!?




***




ローテーブルの上には缶ビールとおつまみ。


そこに広げられた数枚の資料とボールペン。


「…でさぁ、ここんとこで相葉さんが前に来てぇ…」


頬杖をつきつつ、ペン先を資料にトントンとつけながら構想を話すにの。


すでに数本空いた缶ビールは緊張を紛らわしたい俺ので半分以上を占めてるけど。


にのもそこそこ進んでて、ほんのり赤くなった顔と首、少し緩くなった口調がそれを物語っている。


今日のリハで動いたから、まず風呂に入ろうってことになり。


上がってきたにのにTシャツと短パンを貸してあげたはいいものの。


なんか、なんだろこの感じ。


いやこれまでだって俺の服を貸してあげたことなんていくらでもあるんだけど。


こう…風呂上がりに俺の服を着てる、っていうのがなんかクる。


…って俺、ほんと大丈夫?


もういい加減夢の中のにのに現実のにのを重ねるのはよした方が良い。


そう心では思っていても、目の前で緩く笑いながらビールを傾けるにのを見てると。


どうしようもない気持ちに襲われるんだ。


なんか俺、今日は確実にヤバい気がする。


このままだと夢か現実かの区別がつかないかもしれない。


そうなると大変なことをやらかしそうで怖い。


いやもうすでに…



「…ねぇ聞いてます?」

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