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例えばこんな日常

第24章 動機不純100%/AN






ぼんやり晴れていく視界。


白い靄の中から浮かび上がるのは、真っ白な肌。


…うっそ。


今日もこの夢見んのっ!?


この景色は夢だって分かってるから、そこに現れたいつもの姿に嬉しいような気まずいような気分になる。


…いや嬉しいってなに!
よりによって今日はにのがうちに居るのに…!


そんなことを思っているとパッと画面が切り替わり、そこはベッドじゃなくてリビングのソファだった。


目下にはハァハァと荒い息を吐くにの。


しかも…え?
酔っぱらってる?


まさにさっきまで一緒に居たにのと同じように火照った頬。


目元も赤く染まっていて、熱い吐息からは微かにアルコールの香り。


とろんとした一層うるるんな瞳で見上げられ、ボワンと体中に熱が駆け巡る。


「…あーばさん、はやく…」


そのふにゃふにゃなセリフと伸びてきた腕に、俺の理性はキレイさっぱり飛んで行った。


っ、くっそ…!


ぐいっと引き寄せられるままに顔を近付ければ、下から迎えるように唇が重ねられて。


酔っているせいか、細かく息継ぎをしながら繰り返されるキス。


夢の中のにのはこれでもかってくらい積極的なんだ。


それに、誘うような表情が堪らなく欲情を掻き立てられる。


「んふ…きもちい…」


唇を離し際に鼻先で溢れた言葉にズクンと下半身に熱が集まって。


「にの…」

「…うん?」

「もっと気持ち良くなろっか…」


至近距離でそう囁けば、蕩けた二重が細められて。


「ん…いっぱいして…」


鼻にかかった甘ったるい声が届いたと同時に、そのまましっとりと唇を塞がれた。



その声が耳に纏わりついたまま、急に意識が浮上して。


パチっと目を開けると、いつもの見慣れた寝室の天井。


どくどくと高鳴っている鼓動。


うっすらと汗ばんでいる額。


確実に反応している下半身。


最後までいかずに途中で目が覚めたのは初めてだった。


それはそれで困るんだけど…


…って何言ってんの俺!


はぁー…っと長い溜息を吐いて起き上がり、乾いた喉を潤そうと寝室を出た。


リビングのドアを開けた時、ふと思い出した現実。


そういえば…


ソファでにのが寝てる…!

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