例えばこんな日常
第9章 いてもたってもいられない/AN
触れているにのの体がものすごく熱い。
それは、俺も同じことだけど。
俺の首元に頭を預けたにのは、時折ぴくっと動いて快感に耐えているよう。
くちゅ、と音を立てて上下に動かされるその手つき。
子どもみたいに丸くて可愛らしいのに、滴る密で濡れていやらしく光ってる。
…ねぇ、俺のこと考えてる?
俺に触られてるって思ってんだよね?
もっと…
もっと、気持ちよくなっていいよ…にの。
「…にの、気持ち良い?」
耳に唇をつけて呟くと、大きく体が跳ねる。
「…ん、」
「…俺の手、気持ち良い?」
「…んっ、はぁ、」
そう言うと、それまでゆっくりだった左手の動きが早さを増して。
だらっと開かれていた両脚にも力が入り、引きつけるように膝が曲げられた。
「…すごい、いっぱい出てる、」
「んっ、はぁ…」
「ふふ…かわいい、にの、」
「っ…あいばさ、」
左手から絶え間なく漏れ出る音は、にのが気持ち良いって言ってる音。
ふいに、俺の膝に置いていたにのの右手がぎゅっと握られる。
目下に視線を落とせば、瞑っていた目を微かに開けて縋るような瞳で見上げられて。
「…あいばさ、こっち…触って、」
消えそうな声と共にお腹に回していた手ににのの右手が重なり、Tシャツの中にそっと誘導された。
…にのがこんなことねだるなんて。
やばい…
超かわいい…!
されるがまま潜らせた中、探らずとも分かるその位置のぴんと立った尖りに触れると。
「ぁんっ…」
さっきより高い声が、吐息混じりににのから漏れる。
…あ、てゆうか俺が触っちゃだめじゃん。
もうちょっと我慢してね、にの。
すかさずTシャツから手を抜くと、また俺の膝に置かれてたにのの右手を取り、一緒にその中へ滑り込ませる。
「っ、え…」
「ほら、自分で触って?」
「ぇ…」
「俺の手だと思って…触ってみ?」
揺れる瞳を向けるにのに微笑みかけて、Tシャツの中でにのの右手に自分のを重ねて。
包むように指をそこに誘導すれば、また小さく声を上げて体を跳ねさせた。