例えばこんな日常
第9章 いてもたってもいられない/AN
え、今どっから出した…?
と思ってるところに相葉さんの唇が降りてきて、慣れた手順でスウェットが脱がされる。
パチンと蓋の閉まる音がしたと思ったら、すぐにとろりとした感触がソコに広がって。
…っ!
思わず肩に力が入る。
どうしてもこの瞬間だけは、いつまで経っても慣れることができない。
「…いい?大丈夫?」
眉を顰める俺に、優しいトーンで相葉さんがそう言う。
どんなに切羽詰まってたって、余裕なんかなくたって。
いつも必ず俺に承諾を得てから事を進めてくれるんだ。
そうゆうところも…たまらなく好き。
「ん…いいよ、」
そう答えると静かに頷いて、ゆっくりと周りを解しながら指が入ってきた。
ゆったりしたサイズのソファでも、やることをやるにはやっぱり狭くて。
左足を曲げて背面に預け、右足はどうしようもなくて床に投げ出すしかない。
そんな俺の上に覆い被さる相葉さんは、俺が落ちないように頭から包み込んでくれる。
次第に違和感に慣れていくのを自覚しつつ、近くにあるその顔を窺い見た。
慎重に、痛みを感じないようにと加減しながら指を動かして。
その間も俺から目を離さずに、些細な反応も逃すまいとしているようで。
今この瞬間、きっと相葉さんの頭の中は俺しかいない。
…俺だって、そうだよ。
相葉さんしかいらない。
だから…
「ね、もう…」
「…ん?痛い?」
「ううん…はやく、」
早く…
相葉さんがほしい…
俺ん中、もっと相葉さんでいっぱいにして…
両腕を首に回して、急に雄々しくなったその顔を引き寄せて。
下から吸い付くように唇を重ね、内側から湧き立つ昂りを吐息と一緒に吐き出した。
「はぁっ…きて、相葉さん…」
唇をずらして耳たぶにつけながらそう言うと、途端にずるっと指が抜け出ていく感覚に期待で体が震える。
ふぅっと細く息を吐き、ズボンと下着を素早く下ろした相葉さんの中心は。
俺が触れてもないのに、今にもはち切れそうに猛っていて。
それを目の当たりにして、またゾクっと期待が体を駆け抜けた。
愛おしそうに俺を見下ろすその瞳に捉われれば、もう何もかもを委ねたくなる。
またパチンと音がして目をやると、滑りを纏った相葉さんの中心が妖しく光っていた。