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センニチコウ-変わらない愛を永遠に-

第9章 チューベローズ

Sho side

雅『翔ちゃん最近付き合い悪くない?』

雅紀の不服そうな声に
申し訳なさを覚えながらも

こちらも久々の2人揃ってのオフだから

譲るわけにはいかない…

翔「そんなことねーよ…たまたま先約があるだけだって」

雅『ふーん…』

翔「もう少し早く言ってくれればあけといたよ,俺だって」

雅『まぁ…急だったよね…ゴメン』

そう素直に謝られると
申し訳ない気持ちになるんだけど…

でも,潤との約束の方が
先だったのは事実だし

俺だって雅紀と
飲みたくないわけではない

前にも一度断ってるから
次は,とも思っていた

でも…

翔「ごめんな?」

謝りながら
目の前に置いてある物に目をやった

真っ赤な無地の大きな袋に
同じく赤いリボンがかかって
可愛くラッピングしてある
プレゼント

散らかってはいるけど
基本黒と白で統一された
モノクロの部屋に
カナリの違和感を落としているソレ

中身のことを考えると
思わず口元が緩むのを抑えられない

雅『ねぇ!翔ちゃん聞いてる?』

翔「え?あぁ…ゴメン」

雅紀との電話中だったことも忘れてた

雅『もー…まぁいいや他の3人は来てくれるかもしれないし』

翔「あれ?皆も誘ってたの?」

雅『5人で呑もうよって誘ったじゃん!』

「どんだけ上の空なの?」と怒られた

だってしょうがないんだよ…
もう1週間も前から
今日を楽しみにしてたんだから

雅紀との電話を終えると

〔今から向かうね〕

という潤からのメールに
やっぱり口元が緩む

赤い歪な塊を,これ見よがしに
ベッドに置いて

散らかったリビングを
片づけに行った

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