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センニチコウ-変わらない愛を永遠に-

第3章 コチョウラン

Jun side

[今から向かうよ]

握り締めてた携帯に
翔くんからのメッセージが届いて

時間を逆算しながらキッチンに立つ

簡単な野菜サラダとボンゴレのパスタ
それからネットで調べたボンゴレに合うワイン
白の少し辛口のフェウド・アランチョ

準備してる最中に
インターホンが部屋に鳴り響いた

潤「はい」

モニターに映る翔くんと

翔『…櫻井,です』

聞こえる声を確認してロックを外した


潤「お仕事お疲れ様,…疲れてるのにごめんね」

玄関で翔くんを迎えて

潤「ご飯もう少しでできるから,ちょっと待ってて」

先にテーブルに座ってて,と促した

そのやり取りがなんだか奥さんみたいで頬が緩む


テーブルに並べた料理を

翔「うまそ。お前すげーな」

って褒めてくれて

でも俺の中には緊張が走る

相談がない,なんて知ったら
翔くんは怒るだろうか

そしてずっと頭の中にある斗真の言葉

この気持ち,伝えたら
翔くんはどう思うんだろう

本当に伝えても壊れないのか

俺が,俺だけが
少しでも楽になる道を選んでいいのか

考えこみながら食べた食事は
味がわからなかったけど

翔くんが美味しい,って言ってくれたから
それだけで満たされる

空いた食器を下げて
テーブルに座り直して

潤「あの…相談なんだけど
相談ってゆーか…聞いて欲しい話があって…」

深呼吸をしてから切り出した



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