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センニチコウ-変わらない愛を永遠に-

第28章 レッドゼラニウム

Sho side

潤は意地っ張りだし頑固だから
一度ふてくされるとなかなか素直にならない

昔はそれでかなり
周りと揉めたりもしてた

そのたびに頭下げたりしたな…
懐かしい…

「でもさ,やっぱり潤が変われたのは翔くんのおかげなんだよ…俺はそう思う!
だから,見捨てないでやってね?」

さっきまで笑い転げていた斗真が
さらっとそんなことを言う

翔「ぉう…マカシトケッ」

「なんでカタコトなのっ!?」

2人で笑いあいながら
潤が起きるまで
久しぶりに後輩との会話を楽しんだ

照れ隠しでふざけて答えたけど

潤と同じように,いつの間にか大人になっていた斗真に支えられて

くすぐったいけど…すごく嬉しかった



翔「斗真,ホントありがとな」

「全然っ気にしないで!あ,潤は貸し1な?」

潤「なんでだよっ」

最後までワイワイやりながら
潤と2人で斗真の家を出た


2人きりになると途端に会話はなくなって

タクシーを拾って俺の家に着くまで
一言も交わさなかった

でも…何も言わずに俺に着いてきてくれたから

それで十分…

翔「おかえり」

玄関に入って潤を家に引き込むと
すぐにぎゅっと抱きしめた

今朝,この家を出たときは
虚しくて寂しかったけど

今はもう,大丈夫…

くだらない喧嘩…

紐解いてよく考えれば
全部…潤が俺を愛してくれてるがゆえの
我が儘なんだ

そんな我が儘だったら
ちゃんと,いくらでも…
俺が受け止めてやらなきゃいけなかったんだ…

翔「ごめんな」

何も言わないまま肩に埋めている顔を
手で引き寄せて
そっと唇を重ねた

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