テキストサイズ

センニチコウ-変わらない愛を永遠に-

第36章 サボテン

Sho side

なるべく怖がらせないように
名前を読んで声を聞かせながら
視線も絡めながら…

少し反応し始めた中心にそっと触れた

潤「やっ…ごめ,なさっ…」

顔を背けるのと同時に
ガリッと潤の爪が腕に刺さった

翔「……潤…大丈夫…」

離していた躰を近づけて
潤を抱きしめた

また強張っている躰…

萩原さんは昔ラグビーをやっていたらしくて体格がいい…

潤は細いから…きっと簡単に抑え込まれて…俺の事も言われて…

どうすることもできなくて
怖かったんだろうな…

震える潤を見ていると
また…胃の中から湧き上がるものを感じてグッと堪えた

あの人をどう対処するかは後で考えよう…今は潤に集中しなきゃ…

潤「っ…ごめんなさい…っ…」

泣きながら謝り続ける潤

翔「大丈夫…潤?ちゃんと俺を見て?」

でも潤は顔をあげない

潤「俺…翔く,じゃ…ないのに…触られて…嫌,なのに…っなん,で…」

言葉にならない言葉を
涙を流しながら呟いて
俯いたまま首を振って離れていこうとする

…離さない…

絶対…何があっても…

だから,全部俺のせいにして?
全部…俺に委ねて?

翔「潤?…俺が…潤をそーゆー躰にしたんだよ…」

その言葉に潤の嗚咽が止まった

言葉の真意を測るように
黙って俯いたまま肩を震わせている

翔「だからね?潤は悪くない…その時反応したのは…躰が俺を覚えてたからなの…」

…我ながら理屈っぽいとは思う…

でも,潤の身も心も

俺で埋め尽くされてるんだってことを解らせたい

俺には潤だけなように

潤にも俺だけだって信じてるから…


ストーリーメニュー

TOPTOPへ