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センニチコウ-変わらない愛を永遠に-

第36章 サボテン

Sho side

事務所は対応してくれると言うし
潤も一応落ち着いたみたいで
収録は無事に終了した

俺の気持ちは晴れないけど
…今はこれでいい…
そう思って割り切った

ゲストへの挨拶を終えて
楽屋に戻ろうとすると
ニノが歩み寄ってきた

和「あ,いたいた…今さ…トイレでZEROの偉い人と会ったよ」

翔「え?…萩原さん?」

その名前を吐くだけでも
胃に嫌なものを感じる

てか,対応してくれるって言ったのに…
まだ局内にいるのかよ…

…そうは言っても,あの人もそれなりの権力をもった人だから…一筋縄ではいかないか…

和「そうそう,で…潤くんが話しに行くって一緒に行ったけど…なんか…」

そこまで聞いて,俺は走り出した

和「え?ちょ,翔くん??」

ニノの言葉を無視して走った

なんで…この局内で目を離したんだ…

メンバーと一緒だからいいか…ってどこかで甘えがあった

昨日の今日なのに…なんで…

翔「くそっ…」

トイレを覗いてももう居なくて
そこから楽屋をしらみつぶしに探した

ひとつ角を曲がった先に
使われてない楽屋があって
電気が消えているのに人の声がする

ここか…?
間違ってたら謝ればいい…

それくらいの覚悟で
ドアを思い切り開けた

潤「…しょ,くん…っ」

目に入ってきたのは
シャツを脱がされ
ベルトも下に落ちて
震えている潤の姿だった

キン―と耳の奥で音が響いて
外の音が聞こえなくなった

翔「ふざけんなっっ…」

気づいたら,俺は萩原さんに飛びかかっていた

潤「待っ…だめっ,翔くんっ…」

潤が後ろから俺を抑える

翔「うるせーっ離せ,殺す」

何も考えられなかった
ただ,潤をこんなめにあわせた
この男が憎かった

潤「だめだよっ…翔くん,仕事できなくなる…」

どうでもいい…

こいつのことも
自分の事も…絶対に許せなかった

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