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猫になりたい

第5章 野良猫

翔side

気がつくと、どこから入ったのか
そばに野良猫がいた。


玄関…
閉めたよな…



なぜだろう…
迷うことなくキミを重ねた。



野良猫を抱き寄せると腕の中で小さく鳴く。

瞳に映る僕。
泣き出しそうな僕。

ギュッと抱きしめると目を細めて
僕に頭を擦り付けるんだ。

「智…会いたい…」

涙が野良猫の毛を濡らすたび
紅い舌でそれを愛しく舐め取ってくれた。


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