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猫になりたい

第6章 言えなかったコトバ

智side

気が付くと見慣れない玄関。
キミは窓辺で陰を落として

僕に気付くと戸惑いながら
恐る恐る僕を抱き上げてくてた。

懐かしい感触と甘い匂い。
抱き寄せた僕を優しく包む。

冷たい雫が
顔や背中の毛を濡らすから
それを愛しく舐め取ると
キミの味がした。


あの日、言えなかった、愛のコトバ。


「ミャー」

分かってるかな?


「愛してる」

だよ?

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