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「朝か…」

簡単なご飯を食べて出勤する。

いつもより早く仕事を終えて帰宅する。
夕方五時には家に着いていて、余にも早い帰宅にやることがなく暇をしていた。

と、そのとき机の上に丁寧に置かれた鍵に目が行った。
彩人さんにもらった合鍵で、数カ月一度も使っていない。

「あ、そうだ」
次会えるのがいつかわからないから今日返してしまおう。

いなかった時のことを考えて書き置きのメモも用意した。スーツのままケースと合鍵を持って出かけた。

ちょっとしたどっきりを仕掛ける気持ちで連絡はせずに。

数十分して彩人さんの家に着いた。
インターフォンを押しても返事はない。電気も消えてて誰もいない様子だ。
驚かしたかったから少しだけ意気消沈する。

「失礼しまーす」
鍵を開けて勝手に入る。子供の頃廃屋に侵入した時のようなワクワク感がある。
リビングに近づいた時、隣の防音室と呼ばれる楽器練習用の部屋のドアが少し開いて光が漏れているのに気づいた。

これは驚かすしかない！！！