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にじいろ。

第10章 悪魔なアイツ。

立ち籠める煙草の臭いと煙の白に
一瞬クラッとして顔をしかめた


DJ「今日はまた随分と多所帯だね、斗真
まぁテキトーに座んなよ」

サングラスの男が口元を緩めた



俺達は壁際に備えられた長椅子に座る



バンドと聞いていたから
最低4人はメンバーが居ると思っていたけど
スタジオに居たのはDJとボーカルのKazの二人だけで
問題のKazはこちらを見向きもしない

黒のタンクトップに
黒の細身のパンツ
ウェーブの効いた長めの黒髪
先が尖った黒のブーツ



やっぱり全身黒ずくめじゃねーか
これで黒い羽根と尻尾が生えてたら
紛れもなく、悪魔の化身だ


チラッとまーくんを見ると
案の定
じーっと奴のことを見ていた




Kaz「よし、っと…こんなもんか」


ミキサーの調整が終わったのか
Kazの手が止まった






Kaz「待たせたね」





振り返ったその人の姿に
全員が息を呑んだ





そこに居たのは
斗真が言う通り
俺と『瓜二つ』の男だった

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