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にじいろ。

第12章 慟哭。

元来た道を引き返し歩いた



でも…やっぱり……



ポケットからスマホを取り出して
電話をかけた


『大野 智』


ー プルルルル プルルルル プルルルル ー


『留守番電話サービスに接続します』


ー プチッ ー

どこ行ってんだよ、智くん…

仕事はもう終わってんじゃないの?
翔くん放って何やってんだよ

約束したじゃんか
『好きな人を泣かせるような真似はしないよ』
って
言ってくれたじゃんか


翔くん、泣いてるよ?
心で泣いてるよ




『仕事終わったら電話して。
夜中でもいいから
待ってるね』

智くんにLINEを送った




何時間も待ってみたけど
その日
智くんからの着信はなくて
LINEも未読のままだった

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