にじいろ。
第13章 迷宮ラブソング。
杏奈「あたしなんかと一緒にいたから…」
雅紀「違うよ!違うから…」
『学校にこの話をしても
男である雅紀のほうが不利になる』
杏奈がそう言っていたし
俺もそれをわかっていたから
公にすることはなかった
その一方で
杏奈が相談したのは
学校ではなくて翔ちゃんだった
翔ちゃんがどんな手を使ったのかはわからないけど
それからその先輩が学校に来ることも
この話が外部に漏れることもなく
俺の心に多少の傷は残したものの
その後も杏奈との関係性はなんの変わりもなく
平穏な日々を過ごした
あんな事件なんて
まるでなかった事のように。
確かに俺も傷付いたけど
想像以上に
杏奈も傷付いてたんだね
『相手は女の子じゃないけど
本気で人を好きになって
俺はちゃんと幸せになってるよ
だから杏奈にも
幸せになって欲しいよ』
俺の心の声が
杏奈に届くといいのに…
そんなことを思いながら
アイツが残していった赤い折りたたみ傘を見つめていた
雅紀「違うよ!違うから…」
『学校にこの話をしても
男である雅紀のほうが不利になる』
杏奈がそう言っていたし
俺もそれをわかっていたから
公にすることはなかった
その一方で
杏奈が相談したのは
学校ではなくて翔ちゃんだった
翔ちゃんがどんな手を使ったのかはわからないけど
それからその先輩が学校に来ることも
この話が外部に漏れることもなく
俺の心に多少の傷は残したものの
その後も杏奈との関係性はなんの変わりもなく
平穏な日々を過ごした
あんな事件なんて
まるでなかった事のように。
確かに俺も傷付いたけど
想像以上に
杏奈も傷付いてたんだね
『相手は女の子じゃないけど
本気で人を好きになって
俺はちゃんと幸せになってるよ
だから杏奈にも
幸せになって欲しいよ』
俺の心の声が
杏奈に届くといいのに…
そんなことを思いながら
アイツが残していった赤い折りたたみ傘を見つめていた