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にじいろ。

第13章 迷宮ラブソング。

〜 和也Side 〜



斗真「お疲れー!」
風間「また明日ねー!」
村上「気ぃつけてなぁー!」

和也「うぃーす」



バンド練習を終えて
駅でメンバーと別れた


今にも泣き出しそうな空を見上げて
背中を丸めて足を速める


『ただいま』
って言うと
『おかえり、かず』
って
笑顔で迎えてくれる
まーくんの顔を思い浮かべると
自然と頬が緩んだ


最近かまってあげられなくてごめんね






家まであと少し

路地を曲がるところで
家の玄関の前の
2つの人影に気付いて足を止めた






なんで…?







まーくんと知らない女の人が
一本の赤い傘を二人でさしていて

俺はその場から動くことが出来なかった






『杏奈!!!』






彼女を呼ぶまーくんの声が
耳の奥でリフレインする







一つ







また一つ







重ねてきた想いが







雨に流されて消えて行った。

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