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にじいろ。

第16章 君の声が聴こえる。

雅紀・和也「ただいまー…」

寝ている母ちゃんを起こさないように
そっと家に入る


部屋に入ると
昔使っていた古いカセットデッキと
一本のカセットテープが
勉強机の上に置いてあった


和也「『胎内記憶』だって。聞いてみる?」


部屋着に着替えて
カセットテープをデッキに入れて
再生ボタンを押した





母『1986年11月26日
雅紀、3歳11ヶ月
和也、3歳5ヶ月』

聞こえてきたのは、母ちゃんの声。
かずと目を合わせる


母『まーくん、ママのお腹の中にいた時のこと覚えてる?』

雅紀『うーん、わかんない!』


和也「あははは!即答じゃん(笑)」

雅紀「黙って聞けって!(笑)」


母『かずくんは?』


和也『かずはねー、うんとね、おぼえてるよ!』


雅紀「マジで?!」

和也「すげーな、俺!」


和也『まっくらでね、あったかかった!』


雅紀「怖ぇー!」

和也「おーー」


和也『でもねー、そのときはかずだけしかいなくて
まーくんはいなかったの
そのまえはいっしょだったの!』



え?
何それ、どういうこと?

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