テキストサイズ

にじいろ。

第17章 君が嘘をついた。

智「はい」


差し出された手を
握ることにさえも躊躇してしまう

智くんの家まであと少し


智「帰ろう?」



俺には
智くんの優しさに甘える権利があるのかな

そもそもどうして智くんは
俺の想いを受け入れてくれたんだろう



翔「智くん」

智「んー?」


翔「考えてみたら、俺
智くんのことあまり知らないよね」

智「あー、俺自分のこと話すのあんま得意じゃないからね
聞いてくれれば何でも答えるよ?

取り敢えず、家入ろっか」



何度もお邪魔している
智くんの家
泊まるのは
今日が初めてだ


翔「お邪魔します」

智「紅茶淹れるから座ってて?」


渡してくれたブランケットに包まれて
じっと座りながら
キッチンに立つ智くんの後ろ姿を見ていた

ストーリーメニュー

TOPTOPへ