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にじいろ。

第17章 君が嘘をついた。

智「いや、ごめん
疑ってるわけじゃなくて…
翔くん、時々思いつめたような顔するから」




智くんの目を見て答えられなくて
思わず抱きしめた

翔「隠してることも言えないことも何もないよ」



智「そっか、そーだよね
ごめん。ごめんね」



優しく頭を撫でてくれる
『ごめん』は俺の方だよ
でも
言えるわけない

勝手なのはわかってる
でも今はただ
あなたの優しさに甘えさせて

俺に夢を見させてよ





智くんが
俺の肩をそっと押して
二人の身体が離れた




智「翔」


頬に添えられた左手の
指輪が当たってそこだけ冷たくて


智「怒った…?」


怒れるわけ無いじゃん。

俺は首を振った


智「じゃあ…」




チュッ




智「仲直りのキスね」




智くんがくれたキスは
甘いレモンティーの味がした

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