テキストサイズ

にじいろ。

第1章 出逢いは突然に。

潤は洞察力が鋭いと言うかなんと言うか
俺がどんなに平気を装っていても
元気がないとか体調が悪いだとか、直ぐに気付いてしまう奴だ



いや、俺が分かり易いだけだったりして?



潤「言いたくなきゃいいんだけどさ
一人で抱え込むなよ?

それ、まーの悪い癖な」



…痛い所を突かれた。

普段は底抜けに明るいキャラだけど
一度考え事を始めると、なかなか負のループから抜け出せない
そういう所はなるべく見せないようにしてるのに
どうやら潤には通用しないみたいだ



スウッと深呼吸をしてから
体を潤に向き直した

雅紀「あのさ…今朝、母ちゃんに紹介したい人がいるって言われたんだ
早速来週の日曜にとかなんとか言ってたんだけど…なんか動揺しちゃってさ、話全部聞く前に出て来ちゃったんだよね」

潤「あぁ…それで食パン咥えてたわけだ?
なるほどね」



雅紀「なぁ、潤」

潤「ん?」

雅紀「紹介したい人って…男…かな?」


俺がモヤモヤしてることなんて
どうせ潤にはお見通しだから
思い切って聞いてみた


潤「んー…
まぁさ、まだ決まった訳じゃないんだし、あんま深読みすんなって」

そう言って俺の肩をポンと叩いた



潤「ほら!遅刻すっぞ!」




うわっ…!ヤバっ!





真夏の太陽の下
俺達は駅までの道を走り始めた

ストーリーメニュー

TOPTOPへ