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にじいろ。

第20章 裏切りは蜜の味。

和也「藤島さん!
俺は…俺は今、幸せなんだよ。
こんな俺でも愛してくれる人がいるんだ…」

まーくんと叔母さんの顔が浮かんだ



和也「仲間も…」

潤くんと翔くんと智くんの顔が浮かんだ



和也「友達だって出来たんだ」

斗真とヒナと風間の顔が浮かんだ




和也「ここを出てから、一度だってウリなんかやってない。
俺にも居場所があったんだよ…
子供の頃からずっと、俺を好きでいてくれた人の所に…俺、帰れたんだ」


藤島「お前がいつもうわ言のように名前を呼んでいた…あの男の所か…?
子供の頃に引き裂かれた幼馴染の…」


和也「そうだよ。」

藤島「本当なんだろうな?」


問い詰めるように聞く藤島に
俺は力強く頷いた。


藤島「そうか…そうだったんだな…。良かった…」




取り上げられていたスマホを手渡された。

藤島「二時間後に成田だ。彼にそう伝えろ
ただし警察には…」

和也「わかってる」



藤島「そろそろだ
二宮。俺達が戻るまでこの部屋から一歩も出るな。
いいな?」

その言葉に頷くと
藤島が弟分を連れて部屋の外へ出ていった








もうすぐ…ヒロムがこの家に戻ってくる。

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