テキストサイズ

にじいろ。

第23章 にじいろ花火。

恥ずかしそうに
でも
真っ直ぐな瞳で伝えてくれたその姿に俺のハートは完全に射抜かれて
気付いたら翔くんの手をギュッと握っていた。


智『…俺も翔くんのことが好きだよ。』


心臓が飛び出そうで
目なんて合わせられなくて
耳まで真っ赤になって俯く俺の手を
そっと握り返してくれたよね。


翔『嬉しい…。
ありがとう、智くん。

これからもどうぞよろしくね』



この日
俺たちは晴れて恋人同士になったんだ。







翔「今思い出すと顔から火が出るほど恥ずかしいよ」

照れ隠しなのか
翔くんが次々に貝の握りを口に入れていく。


智「そんなに詰め込むとむせちゃうよ?」


案の定ゴフッ ゴフッとむせる翔くんに
あがりを手渡して背中を擦った。


翔「マジ恥ずかしいよ、もー」


照れ屋な翔くんが
精一杯伝えてくれた俺への想いを
これからもずっとずっと大切にしていきたい。
翔くんが俺を好きになってくれたことを
後悔することのないように。






お腹いっぱいご馳走になって
俺たちは事務所に向かった。


翔「智くんの勤め先に出向くなんてなんか緊張するね。
しかも所長さんも居るんでしょ?」

智「うちの所長はフレンドリーな人だから大丈夫だよ。」



いよいよだ。
緊張気味の翔くんとは裏腹に
俺は心を踊らせていた。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ