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にじいろ。

第23章 にじいろ花火。

事務所に着くと所長はまだ来てなくて
翔くんには椅子に座ってもらってて
その間にスクリーンやライトやレフの準備をした。


智「後で着替えてもらいたいんだけど
まずはそのままで」

翔「うん、わかった」



ー ガチャッ ー



所長「大野、お待たせ!」

撮影所に所長が入ってくると
翔くんがバッと席を立った。


智「所長!紹介します。
櫻井翔さんです」

翔「櫻井と申します。
本日はお世話になります」


所長「君が大野のモデルさんだね?
はじめまして。所長の坂本です。

君は…」


所長が大きな風呂敷の包みを広げると
中身はにじいろ花火のパネルで。


所長「この子…だよね?」



俺の隣りで
子供みたいな可愛い顔で赤い炎の残像を見ている翔くんを指差した。



翔「はい。」

所長「そうか、そうか!
いやぁ、君、いい表情してるね!」

翔くんが俺の方を見てニコッと笑った。


翔「ホントに綺麗ですね…」

所長「あぁ。いい写真だな。」

智「モデルがいいですから」

所長「大野以外は、だろ?」

智「それ、酷ぇ!」


翔くんと所長はあははと笑って
所長はまた
大切にパネルを仕舞った。

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