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所長「大野、準備は出来てるか？」

智「バッチリてす！」

所長「じゃあ、見ててやるから
思うように撮ってみろ」

智「はい！」


真っ白なスクリーンの上に
レトロ調の一人掛けソファーを置いて
翔くんをそこに座らせた。


智「自然な感じで撮りたいからリラックスしててね？」

翔「うん、」


翔くんは首を振ったり回したり
肩を上げ下げして身体の力を抜いてる。



翔「えっ?!　こんな距離から撮るの？」

智「そう。」


踏み台を用意して
ごく近い距離で上からレンズを構える。


智「表情が硬いよ、翔くん。リラックス！」

翔「あぁ、うん」


智「じゃあ…何か質問しようかな」

レンズを向けたまま翔くんに話しかける。


翔「質問？」

智「そう。
えーとね、じゃあ、好きな食べ物は何ですか？」


翔「ははっ。なんだよそれー」


ｶｼｬｯ


智「ほら、答えて、答えて！」


翔「ピザと貝？」


ｶｼｬｯ


智「得意料理はなんですか？」


翔「料理まるっきりダメなの知ってるでしょ！」

智「あはは！取り敢えず答えて！」


翔「あー、じゃあ、麦茶！」

智「それ料理じゃないよ！」

翔「あははは」


ｶｼｬｯ



翔くんの素の表情をどんどん切り取っていく。