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にじいろ。

第23章 にじいろ花火。

智「どうぞ上がって?」

翔「おじゃましまーす」


智「翔くん何か飲…」



キッチンに向かおうとした俺の上着の裾を
翔くんがギュッと握った



翔「智くん…」


智「うん?」



翔「今日で冬休み終わりだよ」


智「うん、」


翔「三年になったら
今よりずっと会えなくなる」


智「そう…だね…。
受験生だもんね」





翔「その一年後には…


離れ離れに…なる…かもしれない……」





わかってはいたけど
翔くんの口から改めて
『離れ離れ』という言葉を聞くと
胸がキュッと締め付けられた。





智「ごめん…
俺、知ってた…」


翔「え…?」



智「クリスマスの日
翔くんがシャワー浴びてる時さ
リュックに躓いて
飛び出したファイルからプリントが見えちゃって…
第一志望のとこに、北海道大学って書いてあったから…」

翔「あ…それであの時……」



居てもたってもいられなくて
服を着たまま風呂のドアを開けて
翔くんに抱きついたんだ。



智「行かないでなんて言わないよ。
翔くんが俺の仕事を応援してくれてるように
俺も翔くんの進む道を応援したいんだ」

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