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にじいろ。

第24章 サクラ咲ケ。

雅紀「んじゃ、俺もかずにご褒美あげないとね?」



和也「え?」



雅紀「ご褒美返し的な?」

和也「え、ちょ、待っ…!」


ご褒美にご褒美返しって意味わかんないんですけど!

まーくんは組み伏せる俺を軽々とひっくり返し
あっという間に攻守交代。
動いた反動で
俺の中のまーくんの熱が
トロリと滴り落ちた


雅紀「え…? 付けてなかったの?」

和也「うん、」


面と向かって聞かれたら恥ずかしくなって
プイッとそっぽを向いて答えた



雅紀「ふふっ。子供デキちゃうよ? いーの?」

和也「デキるか、バカっ!」





何言っちゃってんのよ。
デキるわけないじゃん、男同士なんだから…



雅紀「えー、それ、ショック。」





ショックって。
馬鹿なの?
ねぇ、馬鹿なの?





雅紀「俺とかずの子供なら絶対可愛いのに。」

和也「…」

雅紀「そう思わない?」

和也「…思う、けど、」

雅紀「けど?」



和也「デキないモンはデキないもん。」





俺、知ってるんだ
まーくんが子供好きなの。
ちっちゃい子見かける度に
目を細くしてニコッて笑うこと。




和也「だからさ、」

雅紀「ん?」




和也「大人になったら
まーくんはちゃんと結婚しないとね。
伯母さんにも孫の顔見せてやんないと。」





胸が苦しい。





雅紀「そうだね。」





痛い。








雅紀「今世は無理だから
来世で俺とかずのどっちかが女性に生まれて来れたらね。

そしたら
結婚しようね、かず。」




無意識にキュッと噛んでた唇を
まーくんの指が優しく撫でた。

ズキンとした痛みが
ふわっと暖かくて優しい痛みに変わっていく
まーくんの言葉一つで
俺、こんなになっちゃうんだ。

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