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にじいろ。

第25章 赤と青のフォトブック。

翔「ねぇ、その紙袋って、代官山の…」

智「うん。チーズケーキ。
12時丁度に誕生日のお祝いしようね。」



前に一緒にテレビを見てた時
人気のスウィーツランキングで上位だった、代官山の西洋菓子店のチーズケーキ。


翔「食べてみたいって言ったこと、覚えててくれたんだ…
ありがとう、智くん。」


そうだよ、その笑顔。
それが見たくて予約しておいたんだから。







夕食はたいしたものを用意できなかったけど
それでも翔くんは喜んでくれて。

日付が変わるその時まで
時計の秒針の音を聞きながら
二人、手を繋いで寄り添って過ごした。




智「そろそろケーキ用意しようか」


繋いだ手をそっと離し
用意したケーキと紅茶を持ってリビングに持っていった。


翔「ろうそく立てるの?」

智「もちろん」


バースデーケーキ仕様じゃないけど
ろうそくを18本付けてもらっていた。



智「1、2、3、4 … 16、17、」


ホールケーキの縁に17本。
そして
最後にもう一本、赤いろうそくを真ん中に立てる。


翔「えっ…? なんで18本?」

智「真ん中のは18本目じゃなくて、1本目だよ。
17歳の誕生日と
出会って一年目のお祝いね。

ほら、もうすぐ日付が変わるよ。」



ろうそくに火を点けて
部屋の電気を消した。

時計の針が12時丁度になった時


智「誕生日おめでとう、翔くん。
それから、出会って一年目の記念日、おめでとう。」

翔「ありがとう、智くん…」


翔くんがろうそくの小さなオレンジの炎をフーッと吹き消すと
真っ暗な部屋の中で肩を抱き寄せて
そして唇を重ねた。

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