テキストサイズ

にじいろ。

第25章 赤と青のフォトブック。

智「ケーキ、食べよっか?」


ニコッと笑いかける智くんに
『うんっ』
って微笑み返した。

火を消したロウソクを抜き取ると
穴だらけになっちゃって。
『見た目が美しくないけどご愛嬌』
ってまた笑った。



翔「美味しい! フワッフワ!」

智「うん、美味い!」


口の中で広がって溶けていく、フワッフワのスフレチーズケーキ。


智「頑張った甲斐あったよ!」

翔「智くん、並んで買ってくれたの?」


智「いや、予約をね、頑張ったの。
俺、そーゆーの苦手でさ。
なんて言えばいいのかわかんなくなっちゃうの」

翔「ふふっ。それで、なんて言ったの?」



智「電話してね、
『テレビでやってたチーズケーキが欲しいんですけどどうすればいいですか!』
って聞いた(笑)」


翔「あははっ。智くんらしいね(笑)

ありがとうね、俺の為に…」



5号サイズのケーキはすぐに食べ切れちゃいそうだったけど
半分だけ食べて、残りは明日食べようって冷蔵庫に閉まった。
冷やすとまた食感が変わって違った味わいだっていうから
明日の10時のおやつにしようって。




テーブルを片付けると
お互いの緊張感が伝わった。


智「翔」


智くんの呼び捨てにドキン、と心臓が跳ねる。






智「生まれてきてくれてありがとう」






柔らかなキスを一つ、くれた。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ