
にじいろ。
第25章 赤と青のフォトブック。
朝
智くんとバイバイして帰路に着くと
俺は作戦を実行した。
毎年恒例の
俺の誕生日パーティーが始まる前の自室で
北海道の伯父さんに電話をかけた。
翔「もしもし。ご無沙汰しております。翔です」
伯父『久しぶりだな。元気か?』
翔「おかげ様で。」
伯父『翔の方から連絡を寄越すなんて珍しいな。
何かあったのか?』
翔「折り入ってご相談がありまして。
僕が伯父さんの病院の後を継ぐことについてなんですが。」
暫しの沈黙のあと
伯父さんは声を強張らせた。
伯父『やっぱり継ぎたくない、とでも言うのか?』
翔「いいえ、そうではありません。
僕は幼い頃から櫻井病院の跡取りになるよう、厳しく育てられましたから
今更それを覆す様な事は考えてもいません。
ただ…」
伯父『ただ…?』
翔「来年、北海道大学に合格して
そっちに移り住むことになったら…
一緒に連れていきたい人がいます。」
伯父『なんだと?』
翔「とても大切な人なんです。
その人を置いて、東京を離れることは
僕には出来ない。」
伯父『翔。
高校生時分の恋人なんぞ
その時だけの幻想に過ぎない。
諦めなさい。
こちらに来たらお前に相応の女(ひと)を面倒見てやろう。
そのくらいのことは私には容易いことだ。』
智くんとバイバイして帰路に着くと
俺は作戦を実行した。
毎年恒例の
俺の誕生日パーティーが始まる前の自室で
北海道の伯父さんに電話をかけた。
翔「もしもし。ご無沙汰しております。翔です」
伯父『久しぶりだな。元気か?』
翔「おかげ様で。」
伯父『翔の方から連絡を寄越すなんて珍しいな。
何かあったのか?』
翔「折り入ってご相談がありまして。
僕が伯父さんの病院の後を継ぐことについてなんですが。」
暫しの沈黙のあと
伯父さんは声を強張らせた。
伯父『やっぱり継ぎたくない、とでも言うのか?』
翔「いいえ、そうではありません。
僕は幼い頃から櫻井病院の跡取りになるよう、厳しく育てられましたから
今更それを覆す様な事は考えてもいません。
ただ…」
伯父『ただ…?』
翔「来年、北海道大学に合格して
そっちに移り住むことになったら…
一緒に連れていきたい人がいます。」
伯父『なんだと?』
翔「とても大切な人なんです。
その人を置いて、東京を離れることは
僕には出来ない。」
伯父『翔。
高校生時分の恋人なんぞ
その時だけの幻想に過ぎない。
諦めなさい。
こちらに来たらお前に相応の女(ひと)を面倒見てやろう。
そのくらいのことは私には容易いことだ。』
