にじいろ。
第25章 赤と青のフォトブック。
翔「一つ、気になることがあるんだけど…」
父さんは櫻井家の長男で
本来なら医者になるはずが
次男である伯父が病院を継いでいた。
翔「晶さんとの約束があったから…
父さんは法学部を選んだの?」
母「そう聞いてるわよ」
父さんは超難関私大の医学部と法学部を受験し
両方共合格していた。
晶さんの自殺未遂を受けて
晶さんと同じ法学部に進むことを決めたそうだ。
もちろん、俺の祖父母である父の両親には大反対された。
そんな時、一緒に頭を下げたのが、伯父だった。
病院は僕が継ぎますから
兄さんは法曹の道に進ませてあげて欲しいと
涙ながらに訴えたんだ。
翔「どうして伯父さんはそこまでしたの…?」
母さんがその理由を知ったのは
それから随分後になってから…祖父母亡き後のことだったそうだ。
病院を継いでから
いい歳をしてもなかなか結婚をしないことに
業を煮やした祖父母は伯父に詰め寄った。
今度は父さんが
『翔を櫻井病院の後継者にしますから』
と頭を下げた。
母「お父さんと北海道の伯父さんが全てを話してくれたのは
お義父さん、お義母さんが亡くなってからだったわ。
でも、ここから先の話は…母さんから言うことじゃないわね」
母さんは紅茶を一口飲むと
じっと俺を見つめた。
父さんは櫻井家の長男で
本来なら医者になるはずが
次男である伯父が病院を継いでいた。
翔「晶さんとの約束があったから…
父さんは法学部を選んだの?」
母「そう聞いてるわよ」
父さんは超難関私大の医学部と法学部を受験し
両方共合格していた。
晶さんの自殺未遂を受けて
晶さんと同じ法学部に進むことを決めたそうだ。
もちろん、俺の祖父母である父の両親には大反対された。
そんな時、一緒に頭を下げたのが、伯父だった。
病院は僕が継ぎますから
兄さんは法曹の道に進ませてあげて欲しいと
涙ながらに訴えたんだ。
翔「どうして伯父さんはそこまでしたの…?」
母さんがその理由を知ったのは
それから随分後になってから…祖父母亡き後のことだったそうだ。
病院を継いでから
いい歳をしてもなかなか結婚をしないことに
業を煮やした祖父母は伯父に詰め寄った。
今度は父さんが
『翔を櫻井病院の後継者にしますから』
と頭を下げた。
母「お父さんと北海道の伯父さんが全てを話してくれたのは
お義父さん、お義母さんが亡くなってからだったわ。
でも、ここから先の話は…母さんから言うことじゃないわね」
母さんは紅茶を一口飲むと
じっと俺を見つめた。