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にじいろ。

第25章 赤と青のフォトブック。

母「お父さんがあれほど感情的に怒鳴ったのは
本意ではないのよ。
きっと…亡くなった晶さんと翔をダブらせたのね」



同性を愛し
若くして自らの生命を断った、晶さん。

父さんは本当に
晶さんの自殺未遂の理由を知らなかったんだろうか。





翔「俺、もう一度父さんと話してくるよ。
ねぇ、母さん。

母さんは俺たちのこと、反対しないの…?」



母「翔が選んだ道なら…母さん、応援するわ」



翔「ありがとう、母さん…」




俺は父さんの居る書斎に向かった。
ドアの前で深く深呼吸をする。



― コンコン ―



翔「翔です。」


父「入りなさい」



ドアを開けると父さんは椅子に座っていて
その前のテーブルには
昔懐かしい、古ぼけたカメラが置かれていた。



晶さんのカメラだ…



父「何だ?」


翔「さっきは…突然驚かせるようなことを言って
すみませんでした。

母さんから…晶さんの話を聞いたよ。
俺の名前は晶さんからもらったんだね」


父「あいつ…余計なことを」



父さんが、突っ立ってないでソファーに掛けなさいと言ってくれた。





父「さっきは怒鳴ったりして悪かったな、翔」


翔「えっ…」


驚いた。
父さんが俺に謝るなんて。

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