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にじいろ。

第25章 赤と青のフォトブック。

翔「驚くのは当然だと思う…
そんなの普通じゃない、って言われても仕方ないのもわかる…
さっきも言ったけど
認めて欲しい、っていうのは俺の傲りだよ。
そうじゃないんだ。
ただ、家族や、信頼のおける仲間には伝えておきたい。
それだけなんだよ。
隠しておくのは苦しいことだよ。
苦しいと、逃げたくなる。
無かったことにしたくなる。
俺は、そうはなりたくないんだ。」


真っ直ぐに父さんの目を見つめた。


父「雅紀くんや潤くんも、このことを?」


翔「話したよ。
ちゃんとわかってくれた。」


父「そうか…
いい友達を持ったな

私は…そうはなれなかった」


翔「父さん…」



父さんは自分を責めていたのかも知れない。
でも父さん
今は時代が違うんだよ
昔のように所謂ゲイと呼ばれる人たちも
少しは生きやすい世の中になってる
“時代が悪かった”
そんな簡単な言葉では済まされないのかもしれないけど…



父「あいつのところに電話したんだってな」

翔「知ってたんだ…」


父「電話が来てな。

春休みだろう?
二人で行って来なさい」


翔「…ありがとうございます」


俺は父さんに
深々と頭を下げた。

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