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にじいろ。

第26章 輝かしい未来へ。

麻酔が切れてからも
おばさんが目を覚ますことはなかった。

俺たちは
学校と生活という大きな2つの課題をどう乗り越えるか
周りの大人たちを巻き込んで何度も話し合いをした。

学校の方は
育英会から教育費を援助してもらえるという。

生活費の方は
まーくんは、貯金を崩せばいいと言った。
でも、俺は…





雅紀「ねぇ、なんで?! 何でそーゆーこと言うかなぁ?!」

和也「だから!」

雅紀「じゃあかずは中退して働くっていうのに俺はのほほんと学生のまま貯金崩して生活しろっていうの?!
だったら俺も学校辞める!
俺も働くよ!」

和也「おばさんはそんなこと望んでねーよ!」

雅紀「かずが学校辞めることだって望んでねーよ!
おんなじだよ!
俺ら、恋人の前に家族じゃんか…」

和也「…もう、放っといてくれよ……」



俺は家を飛び出した。
外は雨が降っていた。

行く宛もないのに
傘もささずに、ただ、走った。


走って
走って
宛もなく電車に飛び乗って
辿り着いたのは
新宿の街。






やっぱり俺は
ここに帰ってくるしかなかったんだ…

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