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にじいろ。

第26章 輝かしい未来へ。

その人の後に着いて
路地裏のモーテルに入った。



男「シャワー浴びて来いよ」

和也「…ん。」



しっとりと濡れた服を脱ぎ捨てて
熱いシャワーを頭から浴びると
それまで無心だったはずなのに
今になって感情が蘇ってくる。

こんな所で
俺は一体何をしてるんだろう

これから何を
しようとしてるんだ


俺は…

俺は……



和也「…まーくんっ……」




とめどなく溢れるのは
冷たい涙。

この先に進んでしまったら
もう二度と元には戻れない


先に逃げ出したのは、俺だ

逃げて
裏切って
傷付けて

そして捨てるんだ。






『産まれる前から、僕たちは…』





やめろ





『ずっと ずっと 一緒だったんだよ…』





やめてくれ






『好きだよ』






『愛してるよ、かず』








『産まれる前から、愛してた。』











和也「さよなら、まーくん…。」

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