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にじいろ。

第27章 背徳の瞳。

雅紀「ごめん…」


俺は
かずから手を離した。


割れた硝子のように
一度壊れたら
もう元には戻らない

どれだけ欠片を拾い集めてくっつけたところで
ヒビだらけのそれはもう
別モノなんだと自分に言い聞かせた。



かずをこんなふうにしたのは
きっと 俺だから



追い詰めたのは
きっと 俺だから




もう解放してあげるよ。




愛し合った日々も

離さないと誓ったあの約束も

全て嘘だった



それでいい。
それでいいよ。




俺の一言で
きっとかずは楽になれるんだろう?




それなら、言うよ

かずの望みを叶えてあげる

最大限の作り笑顔で

この手を離してあげる





こんな俺と居てくれて
ありがとう、かず





俺からかずへの
最後の愛の言葉を伝えるよ。


















雅紀「もう…終わりにしよう。」

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