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にじいろ。

第27章 背徳の瞳。

Lily「なっ…なに見てんのよぉ…」

和也「ダメなの?」

Lily「だって…」

和也「だって、何?」


Lily「アンタの瞳、茶色いんだもん…」

和也「なんだよそれ。」


取ってつけたような言い訳だ。
目を逸らすのは
きっと何かを悟られたくないから。
Lilyもまた俺と同じように
十字架を背負って生きているのかも知れない。


和也「灰、落ちるよ?」

Lily「あ…。」


だけど傷を舐め合うつもりは
俺にもLilyにも無いんだ。


Lily「そろそろ行くわ」

和也「ん。頑張って」


立ち上がると
身体のラインを強調した派手なドレスのスリットから
長い脚を覗かせた。


和也「Lily」

Lily「なぁに?」



和也「次、来たら襲うよ?」

Lily「二度と来ないわ。この、エロガキッ!」

和也「酷い言われよう(笑)」


Lilyがクスッと微笑って背中を向け
ドアを出ていった。



布団にバサッと横になる。

腰痛ぇ…マットレス買ってこようかな…

電球もチカチカしてる。

交換しなきゃ…


目を瞑り
俺は小さく息を吐く。


“どうか
夢なんて見ませんように…”

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