
にじいろ。
第27章 背徳の瞳。
〜 雅紀Side 〜
雅紀「失声症…?」
小園「あぁ。
心因性のものでね、ある時を境に喋ることができなくなってしまったんだよ。
発声器官に問題はないんだがね。」
子供たちの中に
一人だけ、ポツンと部屋の隅っこでスケッチブックに絵を描いている男の子がいた。
透き通るような白い肌と
サラサラの髪。
そして大きな瞳。
小園「ヒカル。」
小園さんの呼び掛けに振り返ったその子は
俺を見てニコッと笑った。
小園「指導員の相葉さんの息子さんで、雅紀くん。
今度のフットサル大会でボランティアに来てくれるんだよ」
雅紀「相葉雅紀です。初めまして、ヒカルくん。」
ヒカルはペコリと頭を下げると
俺の方に向けて腕を伸ばし
景色を切り取るように
両手の親指と人差し指で四角を作った。
雅紀「え…? 何…?」
小園「この四角から相手を覗いて
見えたものの絵を描くんだよ」
雅紀「俺の絵を描いてくれるの?」
ヒカルは頷くと
スケッチブックに迷うことなく鉛筆を走らせた。
徐々に浮かび上がるその絵は
どう見ても人の顔を描いているようには見えなくて。
俺を描いてくれてるんじゃなかったのかな。
ちょっと残念…。
キョロキョロと周りを見渡しながら
ヒカルが絵を描き終えるのを待った。
雅紀「失声症…?」
小園「あぁ。
心因性のものでね、ある時を境に喋ることができなくなってしまったんだよ。
発声器官に問題はないんだがね。」
子供たちの中に
一人だけ、ポツンと部屋の隅っこでスケッチブックに絵を描いている男の子がいた。
透き通るような白い肌と
サラサラの髪。
そして大きな瞳。
小園「ヒカル。」
小園さんの呼び掛けに振り返ったその子は
俺を見てニコッと笑った。
小園「指導員の相葉さんの息子さんで、雅紀くん。
今度のフットサル大会でボランティアに来てくれるんだよ」
雅紀「相葉雅紀です。初めまして、ヒカルくん。」
ヒカルはペコリと頭を下げると
俺の方に向けて腕を伸ばし
景色を切り取るように
両手の親指と人差し指で四角を作った。
雅紀「え…? 何…?」
小園「この四角から相手を覗いて
見えたものの絵を描くんだよ」
雅紀「俺の絵を描いてくれるの?」
ヒカルは頷くと
スケッチブックに迷うことなく鉛筆を走らせた。
徐々に浮かび上がるその絵は
どう見ても人の顔を描いているようには見えなくて。
俺を描いてくれてるんじゃなかったのかな。
ちょっと残念…。
キョロキョロと周りを見渡しながら
ヒカルが絵を描き終えるのを待った。
