
にじいろ。
第27章 背徳の瞳。
鍵の絵をスケッチブックから破いて切り離すと
ヒカルはそれを差し出した。
雅紀「俺に、くれるの…?」
“うん”
雅紀「ありがとう」
ヒカルはスケッチブックとホワイトボードをリュックに仕舞うと
立ち上がり、歩きだした。
雅紀「どこいくの、ヒカル君!」
“ ヒ カ ル ”
雅紀「ヒカル…?」
“うん”
ヒカル、と呼べと言うことなのか
呼び捨てにすると満足げに笑った。
施設で夕飯をご馳走になり
家に帰る途中で
小さな画材屋に寄った。
雅紀「これ、ください。」
俺はそこで
額を一枚、買った。
ヒカルが描いてくれた鍵の絵。
それをこの額に入れよう。
そして部屋に飾ろう。
二着の制服が並んで掛けられてる、その上のスペースは
ベッドに寝転んでも良く見える場所だ。
未だそのままになっている、左隣りの枕からはもう
アイツの香りはしなくなっていた。
かず…
心の中でさえも
かずの名前を呼ぶのは久しぶりだった。
かず…
ヒカルの描いた絵を見ていると
何故だが素直になれる気がした。
かずの枕に手を伸ばし
ギュッと抱きしめると涙が零れた。
雅紀「…かず……
かず……
かず…!
かず…!!
かず!かず! あぁぁーっ…!!
……かず…」
かずの枕に幾つもの涙の跡が落ちて
その色を濃くしていった。
ヒカルはそれを差し出した。
雅紀「俺に、くれるの…?」
“うん”
雅紀「ありがとう」
ヒカルはスケッチブックとホワイトボードをリュックに仕舞うと
立ち上がり、歩きだした。
雅紀「どこいくの、ヒカル君!」
“ ヒ カ ル ”
雅紀「ヒカル…?」
“うん”
ヒカル、と呼べと言うことなのか
呼び捨てにすると満足げに笑った。
施設で夕飯をご馳走になり
家に帰る途中で
小さな画材屋に寄った。
雅紀「これ、ください。」
俺はそこで
額を一枚、買った。
ヒカルが描いてくれた鍵の絵。
それをこの額に入れよう。
そして部屋に飾ろう。
二着の制服が並んで掛けられてる、その上のスペースは
ベッドに寝転んでも良く見える場所だ。
未だそのままになっている、左隣りの枕からはもう
アイツの香りはしなくなっていた。
かず…
心の中でさえも
かずの名前を呼ぶのは久しぶりだった。
かず…
ヒカルの描いた絵を見ていると
何故だが素直になれる気がした。
かずの枕に手を伸ばし
ギュッと抱きしめると涙が零れた。
雅紀「…かず……
かず……
かず…!
かず…!!
かず!かず! あぁぁーっ…!!
……かず…」
かずの枕に幾つもの涙の跡が落ちて
その色を濃くしていった。
