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にじいろ。

第27章 背徳の瞳。

雅紀「うわ… 酷いな、こりゃ…」

朝、顔を洗うのに洗面台に行くと
鏡に写った自分の顔を見てプッと吹き出した。

見事に腫れ上がった目。
これじゃ到底、学校には行けそうにない。


『今日は休むよ。
明後日の修了式は行くから。』

『マジで?
んじゃ、俺も。』

潤のやつ、便乗かよ?


―  ピロリロリン♪ ―


別のLINEが一件入ってくる。

斗真?


『おーれも!』


ふふっ。仲のよろしい事で。

潤と斗真は学校には行かず
ウチに来ることになった。

『昼メシ作ってやる!』

『楽しみにしてる。』

急にお腹が空いてきた。
…そう言えば
昨日、施設で頂いた時も
普通に食べれたんだった。


ヒカルのあの絵を見て
涙を流してから
人間らしさが戻って来たような気がする。






潤「なんだその顔!」

斗真「どーしちゃったんすか、ソレ…」

雅紀「…そんなに酷い?」


あまりの目の腫れ具合にドン引いてた二人も
『泣きたい時に泣けるのはいいことだよ』
なんて言ってくれて
また泣きそうになった。



俺は昨日の出来事を
二人に話した。

ヒカルのこと。
心の鍵のこと。
かずの名前を呼んで泣いたことも。

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