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にじいろ。

第27章 背徳の瞳。

〜 和也Side 〜


オーナーに頼まれてLilyと二人で買出しに出掛けた先で大雨に降られて
荷物を抱えて走って店に戻った時には
上から下までズブ濡れになっていた。


和也「オイ、何やってんだよ。
早く着替えねーと風邪引くぞ?」

Lily「だってこんなに濡れてちゃ衣装部屋に入れないじゃない」

和也「ここで着替えりゃイイじゃんか。ホラ!」

猫の額程の玄関で
靴も服も全部脱いでパンツ一枚になると
部屋に上がってタオルを取り出し
Lilyに投げてやった。


Lily「アンタはいいかもしれないけど
アタシは女なのよっ?!」

和也「あぁ? そーだっけ?」

濡れた髪をタオルで乾かしながら
煙草に火を点けた。


和也「マジで早くしねぇーと風邪引…」
Lily「見られたく、ないのよ…」

Lilyがギリッと俺を睨む。
あーあ。アイラインが滲んでヘビメタみたくなっちゃってんじゃん。

和也「別に興味ねーよ。
わかったよ、あっち向いてっから。」


俺はLilyに背中を向けた。


Lily「絶対こっち見ないでよ!」

和也「頼まれても見ねぇわ!」


はぁ、めんどくせぇ…


Lily「…ねぇ、ナル。」

和也「あん?」


Lily「背中のファスナーが下ろせないの…」


…お前はアホか。
ホント、めんどくせぇ…。

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