
にじいろ。
第27章 背徳の瞳。
軽く触れただけの唇は
すぐに離れていった。
『どうして?』
そう聞かれると思った。
聞かれたところで
なんて答えていいのかはわからなかったけど…
Lily「馬鹿…」
和也「馬鹿ってなんだよ…」
Lily「馬鹿だから馬鹿って言ったのよ…」
Lilyの涙が
俺の肩を濡らす。
和也「ごめん。泣くなよ…」
Lily「謝らないでよ、惨めになるじゃない…」
涙を拭ってやると
ふわりと微笑むから、
和也「ケンジ?」
Lily「…うん?」
和也「おいで。」
もう一度この腕にしっかりと抱き留める。
Lily「ねぇ、」
和也「うん…?」
Lily「このまま聞いてくれる…?」
Lilyは性同一性障害だった。
心は完全な女だ。
家族にも気持ち悪がられ
15歳の時、家を飛び出した。
歌が好きだったLilyは
路上で歌い始めた。
そんな時
一人の男に出会った。
髪を伸ばし
化粧をすることを覚え
女モノの服を着るようになった。
男は
Lilyを女のように扱った。
愛されていると思っていた。
だけどそんな日々は長くは続かなかった。
『所詮偽物だろ?』
そう言って
男はLilyの元を去って行ったんだ。
すぐに離れていった。
『どうして?』
そう聞かれると思った。
聞かれたところで
なんて答えていいのかはわからなかったけど…
Lily「馬鹿…」
和也「馬鹿ってなんだよ…」
Lily「馬鹿だから馬鹿って言ったのよ…」
Lilyの涙が
俺の肩を濡らす。
和也「ごめん。泣くなよ…」
Lily「謝らないでよ、惨めになるじゃない…」
涙を拭ってやると
ふわりと微笑むから、
和也「ケンジ?」
Lily「…うん?」
和也「おいで。」
もう一度この腕にしっかりと抱き留める。
Lily「ねぇ、」
和也「うん…?」
Lily「このまま聞いてくれる…?」
Lilyは性同一性障害だった。
心は完全な女だ。
家族にも気持ち悪がられ
15歳の時、家を飛び出した。
歌が好きだったLilyは
路上で歌い始めた。
そんな時
一人の男に出会った。
髪を伸ばし
化粧をすることを覚え
女モノの服を着るようになった。
男は
Lilyを女のように扱った。
愛されていると思っていた。
だけどそんな日々は長くは続かなかった。
『所詮偽物だろ?』
そう言って
男はLilyの元を去って行ったんだ。
