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にじいろ。

第27章 背徳の瞳。

ヒカルはそのまま
俺の肩で眠ってしまった。
そっと身体をずらして膝枕をした。

後から部屋に入ってきた小園さんが
その光景を見て微笑んだ。

小園「ヒカルは雅紀くんのことがだいぶ気に入ったようだね」


嬉しかった。
俺の存在を必要としてくれてるようで
嬉しかったんだ。

ヒカルにかずを重ねていたのかもしれない。



雅紀「そういえば、小園さん。
ヒカルって幾つなんですか?」

小園「15歳だよ。中学三年だ」


そっか…2つしか違わないんだ。
小柄で童顔なのも手伝って
もっとずっと幼く見える。

ヒカルの髪をサラリと撫でると
ほんの少し、口角が上がった気がした。


雅紀「ヒカルの寝顔を見てたら
僕まで眠くなってきちゃいました」

なんでだろう
とても癒やされる。
身体からマイナスイオンでも出てるのかな?


小園「動きっぱなしだったから疲れてるんだろう。
医務室にベッドが二つあるから休んでくるかい?
夕食の時間になったら呼びに行くよ」


俺はヒカルを抱き抱えて医務室へ向かった。
トクン、トクンと鳴る心臓の鼓動が伝わる。

ベッドにヒカルを寝かせると
隣りのベッドに寝転んで目を閉じた。

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