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にじいろ。

第27章 背徳の瞳。

ガタッ


ん?



雅紀「危なっ…! …っと、セーフ…」

あと少しで落ちそうになったヒカルをギリギリのところでキャッチした。


あっ…。


ふわりと香る、ヒカルの髪。
ドキン、と心臓が跳ねた。


ベッドに寝かせ直して
長い睫毛にチョンと触れてみる。

雅紀「マッチ棒何本乗るんだろ…」

頬を突くとへにゃんと微笑った。
ふは。可愛いな。


音を立てないように
落下防止の柵をそっと立てる。

これで、よし…っと。









んっ…重っ…
今何時だ…? 


え?


雅紀「ちょっ…、ヒカルっ…!」


隣りのベッド寝ていた筈のヒカルが何故か
俺のベッドに潜り込んでいて。
落ちたくないからなのか
しっかり身体をホールドされてる。


雅紀「ヒカルってば! 起きて! 起き…!」


ゆさゆさと揺すると
眠たそうに目を擦って
目が合うと蕩けるように微笑んで
俺の胸に頭をグリグリグリ…


雅紀「痛い、痛い、痛い」


“ごめん”


真っ赤な舌なんか出してゴメン、のポーズされても
絶対悪いと思ってないでしょ?



雅紀「なんでこっちで寝てるの? 寝ぼけてた?」

“ううん”


ヒカルはホワイトボードを取り出して
書いた文字を見せてきた。





“まさきと一緒がよかったの。”

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