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にじいろ。

第27章 背徳の瞳。

〜 雅紀Side 〜



雅紀「ここだよ。入って?」

“おじゃまします”


ヒカルがキョロキョロしながら
玄関を上がる。

雅紀「ウチには俺しかいないから
そんなにビビんなくても平気だよ?」

ホッと安心した顔をして
ずっと握りしめていた俺の上着の裾を離した。


雅紀「リビングはこっち。
適当に座って?」


ちょこんと小さく纏まって座るヒカルに苦笑いする。


雅紀「ヒカル、緊張してる?」

“うん”


ま、そのうちリラックスするでしょ。
ヒカルの頭をポンポンと撫でて
俺は夕飯の支度を始めた。


雅紀「時間的にちょっと早いけどね、先に準備しちゃうから。」

野菜を洗い始めると
ソファーに座ってたはずのヒカルが
いつしか斜め後ろからその様子を覗いていて。


雅紀「料理、興味あるの?」

“少し”

雅紀「やったことは?」

“無い”

雅紀「やってみる?」

“いいの?”

雅紀「じゃあ…これ、洗って皮剥いてくれる?」

“うん!”


ピーラーの使い方を教えてあげたら
キラキラした瞳で
ゆっくりだけどキレイに剥き始めて。


雅紀「上手だね、ヒカル!」

褒めてあげると満面の笑みを浮かべた。

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