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にじいろ。

第27章 背徳の瞳。

“すごい!”

俺の包丁さばきを見て
パチパチ拍手してる。

雅紀「ヒカルもすぐ出来るようになるよ」


さすがに包丁を握らせるのは躊躇した。
怪我をさせたら大変だからね。

スッとその場を離れたと思ったら
荷物をガサゴソ漁って
戻ってきたら今度は俺の服を引っ張った。

雅紀「んっ? 何?」


何かを書くジェスチャー。

雅紀「ノート?」

ヒカルが首を横に振る。

雅紀「あ、ホワイトボード」

“うん”

“わ す れ た”


あー…
いつも持ち歩いてるホワイトボード、忘れて来ちゃったんだ。



あ!

雅紀「ちょっと、待っててくれる?」


俺は部屋にタブレットを取りに行った。
あんま使ってなかったけど
こんな時に役に立つなんて。


手書きメモアプリをインストールして
ヒカルに手渡した。


雅紀「ウチにいる間、これ使ってね」

“ありがとう”


俺が夕飯を作ってる間に
ヒカルはあっという間に操作方法を覚えて。
ニコニコしながらずっとタブレットを弄くっていた。


夕飯はカレーライスにした。
ヒカルの大好物なんだって。

“いいにおい”

“美味しそう”

“雅紀、天才!”


タブレットに次々と書かれていく、文字。

ホント、可愛いなぁ…。

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