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にじいろ。

第27章 背徳の瞳。

“美味しい!
やっぱり天才!”

雅紀「ふふっ。褒めすぎだって(笑)」


いつもかずが座ってたその席に
今、ヒカルが座ってる。
そして俺の作ったカレーライスを食べてる。
なんだか凄く不思議だった。

ヒカルはヒカルだ。
かずと重ねちゃいけない。
わかってるけど…


― コンコン ―


ヒカルがテーブルを叩く。

雅紀「うん?」

“どうしたの?”

雅紀「ううん、なんでもないよ。
あっ、そうだ。
ヒカルは手話出来るんだよね?」

“うん”

雅紀「俺にも出来るかな? 教えてくれる?」

“いいよ”


ヒカルは少し考えて
サラダを食べてたフォークを置くと
口の動きを付けて
ゆっくりと、手話を始めた。



“ま” “さ” “き”

雅紀「ま、 さ、 き」


“じょうず!”

パチパチと拍手をくれる。


“じゃあ当ててみて?”

雅紀「いきなり当てんの?!」


ふうっ、と息を吐くと
手話を始めたけど
わからないから口の動きを見てた。





“ぼくは まさきが すき”



“まさきと ずっと いっしょに いたい”





じっと俺の目を見つめて
訴えかけるようにそう言った。

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