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にじいろ。

第27章 背徳の瞳。

脱ぎ散らかした服と
ティッシュの山。

色濃く残る情事の跡を見つめながら
俺は一人紫煙をくゆらせていた。


すやすやと眠るケンジの髪を
そっと撫でた。

和也「ごめんな…」


結局
俺はケンジの想いを利用した。
利用して
自分勝手に滅茶苦茶に抱いたんだ。

何度も
何度も
ケンジの中に熱を吐き出した。


最低よって
罵ってくれたらまだマシだった

アンタなんか嫌いって

顔も見たくないって

いっそのこと
グーで殴ってくれたってよかった



意識を手放す直前
お前、俺になんて言ったよ?


『…どんなカズでも受け入れるわ。アタシ。』


ホント、馬鹿だよな
そんなんだから騙されんだよ
都合良く扱われて捨てられんだよ
お前みたいのをな
ダメンズ育成メーカーって言うんだよ

いい加減気付けよ、このタコ…


きっとこのまま目を覚ましても
何も聞かずにただ笑って
『寝ちゃってごめん』
なんて言うんだろ?

なぁ、ケンジ…。

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