にじいろ。
第28章 生きることの意味、死ぬことの答え。
仮眠室に戻ると
あの人はまだ起きていて。
やっぱり視線を合わせずに
珈琲二本とお茶二本をテーブルの上に置いた。
雅紀「…煙草、吸うんだ? 匂いする…」
和也「ああ…うん、」
雅紀「お茶、もらっていい?」
和也「うん…」
『うん』
しか言えてない
何やってんだよ、俺。
雅紀「かず」
ドキッとした。
もう二度と俺の名前を呼ぶなって思ってたのに
こんな風に呼ばれたら
キュッと胸が苦しくなって。
雅紀「少し痩せたんじゃない…?」
和也「どう…だろ、」
雅紀「ちゃんと食べてんの…?
かず料理できないんだからさ、心配だよ」
なんで
なんでそんなこと言うんだよ
俺のことなんか心配する価値もないのに。
雅紀「作ってくれる人がいるなら
安心だけどね」
和也「…え?」
思わず、振り向いた。
顔をまともに見たのは
久しぶりだ。
雅紀「…居ないの? そーゆー人。」
ケンジの顔が浮かんだ。
抱いたのはあの日一度きり。
だけど
飯とか洗濯とか
俺の世話を甲斐甲斐しくしてくれてて。
こんな俺のことを『好きだ』と言ってくれる。
俺はその想いの上に胡座をかいてる。
不毛な関係な上に
不誠実だ。
あの人はまだ起きていて。
やっぱり視線を合わせずに
珈琲二本とお茶二本をテーブルの上に置いた。
雅紀「…煙草、吸うんだ? 匂いする…」
和也「ああ…うん、」
雅紀「お茶、もらっていい?」
和也「うん…」
『うん』
しか言えてない
何やってんだよ、俺。
雅紀「かず」
ドキッとした。
もう二度と俺の名前を呼ぶなって思ってたのに
こんな風に呼ばれたら
キュッと胸が苦しくなって。
雅紀「少し痩せたんじゃない…?」
和也「どう…だろ、」
雅紀「ちゃんと食べてんの…?
かず料理できないんだからさ、心配だよ」
なんで
なんでそんなこと言うんだよ
俺のことなんか心配する価値もないのに。
雅紀「作ってくれる人がいるなら
安心だけどね」
和也「…え?」
思わず、振り向いた。
顔をまともに見たのは
久しぶりだ。
雅紀「…居ないの? そーゆー人。」
ケンジの顔が浮かんだ。
抱いたのはあの日一度きり。
だけど
飯とか洗濯とか
俺の世話を甲斐甲斐しくしてくれてて。
こんな俺のことを『好きだ』と言ってくれる。
俺はその想いの上に胡座をかいてる。
不毛な関係な上に
不誠実だ。