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にじいろ。

第28章 生きることの意味、死ぬことの答え。

〜 雅紀Side 〜



かずを抱きしめた。
止められなかった。

抱きしめながら
『好きだよ』
『愛してる』と
心の中で何度も繰り返した。


小さく震えながら
俺の背中に腕を回してくれた
それだけでもう
全て忘れられる気がした。


雅紀「金髪、なかなか似合ってるね」

和也「そう…かな、」

雅紀「見慣れないから変な感じだけどね」


髪をサラリと撫でて
抱きしめるその腕を離した。
それは
ここまで。と
自ら引いた一線。

かずの気持ちは
まだ何も聞いてないから…


雅紀「おやすみ。」


いつか
いつかきっと、またお前を抱きしめて
眠れる時が来ると信じてる
いつか、きっと…








目が覚めると
そこには既にかずの姿はなかった。

キレイに畳まれた布団と
テーブルの上の一本の缶珈琲。
俺はそれに手を伸ばし
プルタブを開けると
一気に飲み干した。





帰ろう、母ちゃん。
俺達の家に。



空は青く澄んでいた。
何処までも続く空の青。

限りを知らない…空の青。

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