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にじいろ。

第28章 生きることの意味、死ぬことの答え。

オーナーに御礼を言って
車を降りると、歩いて家に向かった。

毎朝通学で通った、通いなれた道。
この道をこうして歩くのも久しぶりだった。


いつものタバコ屋のT字路。
ここでよく、潤くんや斗真と落ち合ったな…
それも今となっては
懐かしい思い出。

家の前の曲がり角。
まーくんと杏奈さんの相合傘を見て
あの時も早とちりしたっけな…。
まーくんと過ごした半年間が
走馬灯のように蘇った。


呼吸を整えて家のインターホンを押す。

雅紀『はい』

和也「あっ…俺。」

雅紀『今、開けるね。』



― ガチャッ ―



玄関のドアが開いて
制服を着たまーくんが出迎えてくれた。
玄関には
幾つかの見覚えのある靴が綺麗に揃えられてる。

雅紀「みんな来てくれてるよ。」


リビングと、その続きになってるあーちゃんの部屋の壁が布で覆われ
リビングには座布団が並び
通夜の準備が着々と進んでいた。


斗真「ニノ…」

和也「斗真…」

潤「お前…心配かけやがって…」

和也「ごめん…」

潤くんが俺の頭をクシャッと撫でる。


智「ニノ」

和也「智くん…」

翔「ニノ、帰ってきてくれてよかったよ。
ほら、お焼香済ませな?
こっちだから。」

翔くんの後について
あーちゃんの眠る棺の前に足を止めた。

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